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zoom RSS 相談コーナー#19

<<   作成日時 : 2013/11/15 10:36   >>

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Q. カーレーサーのトレーナーをやって今までとの違いはありますか?
モータースポーツも興味あります!
アスレティックトレーニング専攻 米国在住 大学3年 男子

A. 最後に来たかぁ、この手の質問(笑)。セミナーや講演では多少話しているんだけどシーズンも無事終わってのこの機会だから少しまとめてみましょう。

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トレーナーはアスリートを支える仕事。これはスポーツ全てに言えること。だけどチームスポーツとは違い個人種目であり、特にレーサーはマシーンを操縦しての他多数との戦い。一般的なスポーツとはそれぞれの個性や、スポーツ特異性に基づき大きな違いも出てくる。カーレーサーというのは自分とマシーンの限界に挑戦し、その上で人と競り合い、そのドライバーを支えるエンジニアとメカニックがいて、レース場全部が見える塔の上からの状況判断を常時ドライバーに伝えるスポッター、それら全てをまとめてレース展開を状況判断しドライバーに司令を送るピットにいるチームリーダー、みんなが無線で常に連絡を取りあっている。要するに色んな人が周りにいて一人のスポーツであってもみんなの協力もあり、またマシーン相手ということでエンジントラブルなど不慮の故障が生じることも少なくない。他人の事故や路面の状態など運もかなり大きく左右する。他車との不慮の事故は大きな危険を伴い、油断の出来ないスポーツであるがゆえまた人気も高い。

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俺自身はアスレティックトレーナー兼鍼灸師として佐藤琢磨選手をサポートしているが今回はトレーナーに焦点を当てて話そう。時速300キロを超え、4G以上の負荷を受けながら、100周〜300周(距離によって相違)以上も走り、その上で他多数(25台ぐらい)と炎天下の中で競り合うこの過酷なスポーツは集中力無くしては達成出来ない。その集中力や思考力を継続させる為にまず水分補給は欠かせないものとなる。その水分補給(特別なドリンクを作ったり)、補充をしたりするのもトレーナーの仕事だし、ピットに入った際には(Red Flagなどで時間が生じれば)傘を掲げて日陰を作り、小さな扇風機のようなfanでドライバーに風を送りヘルメットやレーシングスーツ内の温度を下げるよう試みる(上から順に写真1)。他のドライバーより少しでも有利な状態にもっていく。もちろんメカニックは同じ事をして(fanを廻して機器や)エンジンを冷やす。レース直前の食事はもたれにくくエネルギー要素(炭水化物など)が高いものを考えるし、質の高い睡眠はもっと大事だ。それらの状況を作るのも影でアスリートを支えるトレーナーの大事な仕事の一つになる。

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ハンドルを握る際に通常のカーレース場のオーバル(円形のレース場)とストリートレース(モナコグランプリのような市街地をレース場とした)とではハンドルを持つ手に対する地面からの振動や力の入れ方も違ってくる。特に親指や手首(ハンドルを握る)の負荷が多いのでテーピング(写真2)などのサポートも大事な要素だ。またGというのは負荷によって普通の人間が体感すると嘔吐したり眩暈を経験したり、ひどい時には失神するそうだ。戦闘機で宙返りを繰り返すようなものというとわかるだろうか。それを何時間も感じながらパフォーマンスする為にはそれに耐えうるしっかりした体幹が必要とされる。それ故コアトレーニングのエクササイズメニューをも処方し、個々の筋力よりコーディネーションを重視したものを指導する。コアがしっかりしていないとパワーのトレンスファー(伝え方)に無駄が出て疲労や障害の原因となる。またレースカーのハンドルはパワーステアリングでないので力をかなり使う。レース中約2時間上半身(特に前腕)の筋力は収縮しっぱなし状態となり、上肢の持久筋力も必要となる。メンタル面もスポーツ心理学的見地からレーサーが失敗や事故からの感情を引きずらず前を見てポジティブな姿勢になるように時にはカウンセリング的な会話を持つこともある。もちろんスピードを争う世界なので当然のことながら恐怖もあると思う。大体のプロのカーレーサーはその経験や実績から生まれた個人のやり方もあるのでそれをお互いリスペクトしながら二人三脚のようなサポートが必要になってくる。

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カーレースの世界にはまだ多くのトレーナーや鍼灸師は存在しない。未知数の多い潜在的需要のある市場だと思う。今後この世界も争うようにそれらを必要とすることは間違いない。このスポーツに於けるマシーン(機械)の性能を高めることとドライバー(人間)の可能性を高めることは切っては切れない関係だからだ。マシーンはチームクルーが管理する。ドライバーはトレーナーがサポートする。その歯車が合い勝った時の感動は計り知れない。一見華やかなモータースポーツ界。だがそこで活動するトレーナーの仕事は他のスポーツと同じく地味で決して表に出るものではない。誰も知らないし、知られる必要もない。俺達は影武者だ。だからこそレーサー(アスリート)からのみ与えられる誰にも知られない感謝の気持ちが胸に響く。

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自分の可能性を世界という舞台で試したかったら飛び込んでも面白い世界だと思う。実際、琢磨は日本人として初の優勝(4月ロングビーチ 写真3)、準優勝(5月ブラジル 写真4)、今季ポイントリーダー(5月インディ500レース時 写真5)、ポールポジション(10月ヒューストン 写真6)と今シーズン今まで以上にしっかり結果を残した(写真7)。みんなも知識と技術をひっさげて自信を持って行って欲しい。まだ席はいっぱい残ってるよ。とりあえず俺が切り込み隊長として道を開いてみたいです。要は、、、まぁいいや。言葉にすると軽くなりそうだからね。みんな頑張ろうぜ。いつも言ってるけど世界は未来だ。そして可能性は無限大。



“ここから先は自分次第” カーレーサー 佐藤琢磨



*11月15日(金)午後8時より9時45分までNHK BS1にて
“誰よりも前へ 佐藤琢磨 インディへの挑戦”が放映されます。トレーナーや鍼灸師も出てきます(って俺? 笑)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
take先生みたいに、どんなことでも挑戦して自分で道を切り開ける人になれるように頑張ります!
この前のセミナーで、また自分の中の何かが変わりました!
しかも、やっぱり俺は仕事が好きなんだなって改めて思いました!
途中でくじけない。諦めないで続けた奴が成功する!
その言葉を信じて、信念持って頑張ります!いずれLAへ押しかけ弟子しに行きますから待っててください。^_^
masa
2013/11/15 13:03
頑張れよ!いつでも応援してるぞ!
又春に会おう!
take
2013/11/16 23:37

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